【AWC2015解説】 ahq e-Sports Club vs F4E – 2nd map(AS後編) 【準決勝】

10R

F4Eは9R目のセンター詰めに続いてコの字詰め。交戦自体の形は悪くないものの、1:1交換で終わる。しかし、コの字詰めを察知した瞬間、2.0Manと47xの動きが速い。センターから即座に2連通に直行し、2中をそのまま取ってしまう。

これは大会で即座に行える動きではない。敵が3人でコの字詰めをしてきたときの対応策について事前に考えておいたからできたこと。

2中をこれほど早く取られることなど想定していなかったF4Eは陣形がガタガタになり、そのままラウンドを取られる。コの字を詰めるなら当然2連通はがら空きになるので、ダブルで1連に入って資材とセンターを抑える形なりにして、2連に敵が入る頃には2中と1連でクロスを組めるような状況にしなければならない。

つまり、Clutchは敵がどれほど早め攻めをしてきても耐える必要があった。が、遮蔽物が少なく不利ポジとなりやすいこの位置で2連通行きを止めることはほぼ不可能に近い。ということは、コの字詰めは人数有利を確定させて即座に引いて陣形を整えるところまでやってはじめて成功となる。

11R

9R目のセンター詰め、10R目のコの字詰めに続き、11R目では資材詰めを行うF4E。そのままCampしていたBowを倒す。また、ラウンドに余裕が出たために動きが大雑把になった2.0Manが2連通で倒される。そう何度も2連通に入らせるわけにはいかない。

F4EがC4を資材で抑えているため、ahqはいやでも取りに行く必要がある。しかし厳しい。このラウンドはF4Eが抑えきりラウンドを取る。

12R

詰めれるところはすべて詰めたF4Eは大人しく引き守りに転じる。

この状況におけるahqの動きは正しく、数をかけてくる逆ラッシュに対しては、入り口が少なくレンジが長いところをスナイパーが担当し、同じく入り口が少なく狭いところをARが担当する。残りのARはお団子状態を作り、数に対抗できるように残りの場所へ赴くことになる。

今回の場合、通路が1つしかないコの字をAfteR-SRが担当し、同じく入り口が1つのセンターを47x(RM)が担当。資材にRM,RM,PMが集合する形となっている。これは逆ラッシュ対策としては至極まっとうであり、正攻法と言える。

2が引き守りな分、1の察知を早める必要があったためApina-SRが前に出る。しかし殺気を感じ取り引く。どこに引くかと言えばそれは入り口が1つのハテナである。鉄板はセンターからと資材からの2つの通路があり、RM2人に任せるのが手っ取り早く、敵の進行を止めやすい。

殺気というとオカルト臭いが、AfteR-SRの立てたジャンプ音や足音のわずかな変化、それまでのラウンドから読み取れる敵の流れ、これまでの経験則のすべてから無意識下で導き出される直感のようなものである。

もっと理論的にいうと、資材でジャンプする場面はAfteR-SRの位置から飛び移るときか、2.0Manが1連通を確認するために箱越しにジャンプして覗くときかの2つしかない。今回は箱越しに敵の姿を確認できてないので、飛び移ったのだということがわかる。さらに、飛び移るということは音を出して自分の位置をバラすということであり、自分1人単独で資材から攻めるというときに果たしてそんな音を出すだろうか?いや絶対に出すことはない。ということで、飛び移るジャンプ音がした時点で資材に安心感を感じている証拠であり、資材には2人ないし3人いるということを暗に示している。

ahqからしてみれば鉄板にも姿はなくコの字も取れているので、F4Eは完全なる引き守りということがこの時点で判明しており、それならば一気に数をかけようということで2連通から4人が突撃するも、Boboboによって潰される。これはBoboboの素晴らしいファインプレー。

13R

10R目の成功体験が尾を引いているのか、47xは2連のBoboboと交戦し単独で倒される。 8R目で見せた華麗なFBは見る影もなく、2.0Manは1連通を見ていたApina-SRに単独で倒される。

フルラウンドの試合で集中力が切れかけているのか、ahqの動きにキレがなくなっている。そこでいくとBoboboは集中力を最後まで保っており、12Rの3人止めやこのラウンドのファーストキルを取った功績は非常に大きい。

数が減ったahqは3人でコの字に固まってお団子戦法で攻める。しかし厚く守っていたF4Eが仕留めきり、ASLANはF4Eが制することとなった。

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